雨だれのプレリュード

雨の日が続くと、なんとなくショパンの「雨だれ」を弾きたくなります。
ああ、ショパンもこんな日に作曲したのかなぁ。

ショパンが病気の療養の為に滞在していた地で、
愛する恋人と過ごしながら作曲をしている風景。
外は雨で、心地よい雨音が聴こえ、窓にはしずくが模様を描いている風景。
恋人と過ごす幸せな時間、
そして死に対する恐怖と不安。

そんな風景と心情が、映画を見るように思い浮かぶ。

幸せな時間を表現するかのような長調が、急に短調に変わる部分は
まさに何かがゆっくりと「迫りくる」感じがして、ほんとすごいなって思う。

ショパンは「ピアノの詩人」と言われてるけど
たったピアノ一台あるだけで
映画を見ているような、その場にいたような、気持ちになれるのだから
私にとっては詩人というより作家。

つくづく思うのは、
曲を弾くときに、その作曲家の生きた世界を知る事は、すごく重要なんじゃないかな。想像のフィールドをどれだけ広げるか、映像をどれだけ鮮明にするか、
というのが演奏に繋がるのだと思うんだよね。
機械の自動演奏にはない、人間の演奏(らしさ)ってそこだとおもう。

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